産業革命以降、人類はあらゆる資源を搾り取って活用することで産業を成り立たせてきましたが、その資源も近い将来枯渇するといわれています。今後、海底資源や未開発地の資源の捜索など、多大な困難が伴い経済的に非効率な開発が必要となることも予測されます。このため、「捨てればごみ、分ければ資源」といったキャッチフレーズが示すように、資源の再生利用を積極的に進めようとする動きがあります。
紙の1人当りの年間消費量はその国の文化のバロメーターともいわれますが、1998年の世界のパルプ生産量は年間約1億8000万トン、紙は約2億9000万トンにのぼり、これを支えるため約5億5000万立方メートルの木材チップを供給しています。森林資源の伐採と、回収利用されずにごみとなる莫大(ばくだい)な紙屑は世界的な環境問題として各国は深刻に受け止めています。
世界各国は古紙の回収率を極限まで高めてごみの発生量を押さえ込むとともに、古紙からパルプを再生して木材パルプにかえて利用することにより、木材資源の節約、エネルギーの節約および節水を図ろうとしています。